SENKO ADVANCE RECRUIT
プロジェクト紹介~自動車部品関連事業~Notable Projects
PROJECT STORY...
ASEANでの事業拡大を実現するために。
駐在員たちが切り開いた、未来への道。
ASEANでの事業拡大を
実現するために。
駐在員たちが切り開いた、
未来への道。
ASEANにおける自動車生産の需要拡大に対応するために、センコーアドバンスは2013年にタイ拠点「SENKO Advanced Components (Thailand) Co., Ltd.」を設立しました。限られた人員で拠点運営が始まりましたが、その後は着実に規模を拡大。さらに大規模な自動車部品プロジェクトが転機となり、ASEAN全域への事業展開を実現しました。タイとアメリカ、それぞれの国でプロジェクト成功を支えた3人の社員が、当時を振り返ります。

A&I事業本部 営業統括部 第2営業部 係長
Ryotaro Osada
長田 崚太郎

コーポレートセンター HRBP 主任
Shohei Yoshida
吉田 昌平

A&I事業本部 営業統括部 国際営業部 主任
Shogo Kanzaki
間崎 将伍
2013年に始まったタイ拠点の歴史
センコーアドバンスがタイ拠点を設立したのはいつですか?
- 吉田
- 2013年です。私や長田がタイに赴任する数年前のことになるのですが、立ち上げの当時は日本人の拠点長と現地の社員2人という3人体制でした。当時は本当にベンチャー企業を新たに作る、という感じだったと思います。当時の拠点長は営業などの実務だけではなく、財務的な業務や人材の採用などを一人で行っていたそうです。
- 長田
- なぜタイ拠点を設立したかと言うと、当社のお客様である自動車部品メーカーさんや、仕入先さんの要望にお応えするためです。当社は自動車用のワイヤーハーネスに使われるコネクタや端子、電線などの部品を販売していています。ワイヤーハーネスの生産は2000年代まで主に中国で行われていたのですが、その後トレンドが変わってASEANの国々で生産されるようになりました。その動きに対応して当社も2013年のタイミングでタイに進出しました。
- 吉田
- タイはASEANの中でも自動車産業の集積度が高く、多くの日系自動車部品メーカーが進出しています。そうした日系の部品メーカーさんが我々のお客様になります。
- 長田
- 当社は商社なので、製品を仕入れてお客様にお届けするのが基本の仕事になります。以前は日本で製品を買って日本のお客様にお届けしていました。しかしその場合、お客様はご自身で自社のASEAN拠点に製品を送る必要があります。当社が2013年にタイ拠点を設立したことによって、世界のさまざまな国で作られた製品を当社がタイで仕入れて、お客様のASEANの拠点に直接供給できるようになりました。
- 間崎
- 一番のメリットは、お客様に近い場所で在庫運用ができるようになったことです。ASEAN各国でモノが必要になった時にすぐお客様にお届けできます。
- 長田
- 私はその業務を担当するために2017年にタイに呼ばれました。私のチームが行ったのは、タイ国内で購入した製品をタイ国内やベトナム、フィリピンなどに供給する業務です。適切な在庫量をコントロールして、お客様に安定供給する調整役を務めました。
- 吉田
- 私は2021年からタイに駐在し、長田さんとは2年ほど一緒に働きました。品質マネジメント部という部署に所属し、品質関連の不具合が生じた時などに、お客様と仕入先様の間に入って解決する役割を担いました。
- 間崎
- 私は2022年からアメリカに3年間駐在し、SCM(サプライチェーンマネジメント)という、製品の調達業務を担当しました。アメリカ国内やメキシコで作られた製品を調達し、船でタイに輸出するという役割です。
長田さんが赴任した時はタイ拠点の人員は何人くらいでしたか?
- 長田
- 20人くらいです。その後、業務が拡大していく中でメンバーが増えて、今は60人ほどになっています。私が2023年にタイから日本に帰る時は、私の部下が20人ほどいました。SCMのチームのオペレーションマネージャーという肩書きでした。
- 吉田
- 私はタイに赴任した時まだ26歳でしたが、アカウントマネージャーというポジションで部下が6、7人いました。若手のうちにマネジメントの経験ができるというのは大きいですね。間崎がアメリカに駐在したタイミングも早かったよね。
- 間崎
- 入社して丸2年が過ぎて3年目を迎えた時です。
- 長田
- 早い!
- 間崎
- 私の場合はマネージャーではなく成長枠で駐在員になった感じです。ただ、そうは言っても駐在員ならではの責任はあって、拠点の中で年齢が一番下でしたが現地の社員をまとめる必要がありました。
最後は「人対人」で向き合うしかない
海外駐在ならではの苦労はありましたか?
- 吉田
- 部下の中には年上の方もいたのですが、私はマネジメントの経験もなかったので、最初はあまり信頼してもらえませんでした。タイは年功序列の意識が強い国で、人前でのメンツを大切にする文化があります。だから部下を叱る時でも人前で叱ってはいけないんです。でも、当時の私はそういうことがよく分からず、トップダウン的なマネジメントをしてしまっていました。今思えば、感情的な配慮が足りていなかったと思います。「あいつをマネージャーとして認めない!」という感じになってバチバチぶつかりました。
- 間崎
- 私が赴任したのはメキシコとの国境に近いテキサス州のエルパソという都市で、同僚はほとんどメキシコ人でした。タイのような上下関係はないのですが、やっぱり文化の違いは大きくて。彼らはあくまで家族ファーストで、生活のために仕事をするという意識が強いです。その文化を私たちが否定して、日本の価値観を押し付けることは正しくありません。でも、そうは言っても私たちのお客様は日系の企業が多いので、お客様からは日本式のサービスを求められます。そのギャップは大きかったですね。
- 吉田
- そういう中でマネジメントをしていくためには、やっぱり「人対人」で向き合うしかないと思います。積極的にランチに誘うなどして本音ベースで話ができるようにしていって、少しずつ信頼関係を築きました。クリスマスにちょっとギフトを贈るとか。
- 間崎
- あとは一緒に飲みに行ったり。そういうことをするだけで少し関係性が変わります。
- 長田
- お互いの理解があってこそ組織が成り立つので、そういう関係づくりは大切ですね。私がタイで苦労したのは、日本人駐在員である自分に仕事が集中してしまったことです。本当は「現地化」という形で、タイの現地スタッフに仕事を任せていく必要があったのですが、結局自分でやってしまったことがありました。そこが反省点ですね。
- 吉田
- タイは日系の企業が多いので、重要な案件の時は長田さんに直接問い合わせが入るなど、どうしても現地化が難しい状況がありました。そういう、タイならではの理由もあったと思います。
そういう紆余曲折がありながらも、タイ拠点の売上が増えていきました。どういう要因がありましたか?
- 長田
- 大きく2つあります。ひとつは、当社のパフォーマンスが評価されて多くのお客様から製品の調達を任せていただけることになったことです。お客様の数が増えて、タイ国内だけではなくASEAN全域でビジネスを展開できるようになりました。
もうひとつが、大規模な案件を受注できたことです。新たな車種に使われるワイヤーハーネスの部品調達を当社にご依頼いただけるようになりました。
大規模な自動車部品プロジェクトが始動
- 長田
- ただ、売上が増えた分、取り扱い品種や数量も大幅に増え、業務の負担も大きくなりました。その大変な状況を支えてくれたのが、吉田と間崎です。
- 吉田
- 私は2021年頃に、試作の終盤のタイミングでプロジェクトに加わりました。先ほどお話しした品質関係の業務だけでなく、SCMにも携わりました。試作の量がどんどん増えていって1000品番くらいあったのですが、それらの製品をアメリカや中国、ヨーロッパから取り入れる業務を担当しました。
- 長田
- 試作は2018年頃から始まって、4年くらいかかりました。車両の設計仕様が変更された際などに、タイムリーに対応する必要があります。その難しさを感じながら、早く情報を取るための活動をしていました。
- 間崎
- 私はその試作フェーズにはあまり関わっていないのですが、試作が終わって量産が始まったタイミングでアメリカに赴任し、プロジェクトに関わりました。アメリカやメキシコで生産された製品を調達し、吉田さんたちがいるタイに供給する役割です。
- 吉田
- たとえば、アメリカで集約している製品が500品番あるとして、その中の50品番くらいは納期的に厳しい状況でした。だから、間崎に対していつも「早く製品を送ってほしい」という連絡をしていました。
- 間崎
- 私がアメリカに赴任してすぐ、そういう厳しい状況だということが分かりました。仕入先と倉庫を行き来して緊急品だけを抜き取って、空港の近くにある輸送会社の窓口までハンドキャリーする。半分ドライバーみたいな仕事をしていました。
- 吉田
- 工場に行き過ぎて守衛さんと顔パスになったんだっけ?
- 間崎
- それは別の方です(笑)。でも、私もそれくらい通いましたよ。
- 長田
- また、ちょうどその頃、新型コロナウイルスが流行していたタイミングだったんです。国によって感染状況が違うので、たとえばタイは普通に稼働していても、アメリカでは感染者が多くて工場がストップし、中国はロックダウンでモノを動かせないという難しい状況の時もありました。市場にある在庫を探して緊急で送ってもらうなど、自分たちにできることを最大限行いました。
プロジェクトの中で本当にしんどい時もあったのですが、その時はもう祈るしかない。タイの建物にはよく、小さな祠が設置されているのですが、仕事が大変な時はオフィスのビルの横にある祠に毎朝手を合わせていました。
- 間崎
- ワイヤーハーネスを製造するためには、いろんな国で作られる部品をタイムリーに集約すること必要です。お客様であるワイヤーハーネスメーカーさんが自社でそれを行うのは大変ですが、当社にご依頼いただければ、1社ですべてを完結できます。そこにセンコーアドバンスのメリットを感じていただけたと思います。
- 吉田
- 当時、間崎とは一日何度も話したよね。
- 間崎
- そうですね。タイにいる吉田さんが夜で、アメリカにいる私が早朝。そこで一度話して、何時間か経ったら今後はアメリカが夜でタイが朝の時にまた話す。そんなことを続けました。
- 長田
- 本当に2人が頑張ってくれて、助けられました。
- 間崎
- 私がアメリカに赴任して2年ほど経った頃に何とか量産が落ち着いて、3年目は「この物流のスキームを変えられないかな」などと自分で考えながら仕事ができるようになり、充実した時間を過ごせました。その3年を終えて2025年5月に日本に帰国しました。
海外駐在を経て実感する「成長」
タイ拠点での取り組みはどんな成果につながりましたか?
- 長田
- フィリピン、マレーシア、ベトナムなどASEAN全域にビジネスが拡大して、タイ拠点の売上を大幅に伸ばすことができました。また、タイ拠点の人員も増え、より専門性の高いチームづくりが実現できたと思います。私や吉田は日本に帰国しましたが、現地のメンバーは引き続き頑張っている最中です。だからプロジェクト自体は継続中になります。
今後の展開としては、新たな国への事業展開を進めているところです。カンボジアでの製品供給をスタートさせ、さらにインドネシアへの進出をめざして市場調査を行っています。
- 間崎
- そういう取り組みがさらに進むと、海外での物流網を太くすることができますし、センコーアドバンス社内でのグローバル連携も加速します。多様な国々の知見を持つことが、お客様に対する強みになってくると思います。
- 吉田
- プロジェクト自体の成果と併せて実感しているのが、自分自身の成長です。私は品質関連の業務のほかにSCMも経験しましたし、マネージャーの仕事も経験できました。私は今、戦略人事というポジションに就き、若手・中堅社員と面談をして意見を吸い上げるような仕事をしているのですが、その仕事をする上でタイでの経験がとても役立っています。いろんな立場の社員がいる中で、それぞれの人の視点に立って話ができていると思います。
- 長田
- タイ駐在を経験して、トラブル解決に対する引き出しが増えたと思います。自分より若い社員が何かトラブルに直面した時に、「こういう観点で考えてみた?」「ここに連絡してみた?」とアドバイスできるようになったのは、タイで多角的な視点で課題解決をする経験ができたからです。今後もしっかりとチームをまとめてマネジメントできる立場になっていきたいと思います。
- 間崎
- 私も長田さんと似ていて、問題が生じた時の心の持ちようが変わったと感じています。今、自分よりも若い人たちをまとめる立場で仕事をさせてもらっていますが、その中で考えているのはその人たちをどう成長させ、より良いチームにしていけるかということです。アメリカで人をまとめる経験をしたことが役立っています。
海外駐在自体の魅力として、どんなことを感じましたか?
- 間崎
- やっぱり、「海外で生活する」という経験自体が貴重だと思います。私がいたエルパソというまちはメキシコとの国境が近くて、仕事帰りにクルマを走らせていると、国境越しにメキシコのまちの灯りが見えてくるんです。その色に温かみがあって。
- 長田
- エモいな。
- 間崎
- 忙しい中で体は疲れているのですが、その風景を見た時は「自分のアメリカ生活も捨てたもんじゃないな」と思いました。
- 長田
- タイにはいろんな島々やビーチ、ゴルフや美味しい食事など、魅力的なものがたくさんありました。また、タイからASEAN各国に旅行に行くなど、いろんな経験ができたと思います。
- 吉田
- 長田さんを見てオンとオフの切り替えを学びましたよ。長田さんがカラオケでタイ語の曲を歌っている姿も見ていましたし。
- 長田
- 以前の拠点長がタイ語の歌をカラオケで歌っているのを聞いて、それを引き継いだ形です。ああやってコミュニケーションを取ったことで、仕事で大変な時に「長田さんを支えてあげよう」という雰囲気が生まれたと思います。
先ほどお話ししたように私は毎朝祠に手を合わせていたのですが、その姿をたまたま現地スタッフに見られていたんです。私がタイを離れる送別会の時、タイの仏像のように首にたくさん花輪をかけてくれて、みんなが祈ってくれました。懐かしい思い出です。
- 間崎
- 会社に期待してもらって海外に送り出してもらい、自分の成長を喜んでもらえる。そういう経験は貴重ですし、人生が変わるような時間だと思います。自分一人の意志で海外に飛び出して同じ経験ができるわけではないので、海外駐在を経験させてもらえたことに感謝しています。


