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プロジェクト紹介~光通信部品関連事業~Notable Projects

PROJECT STORY...

市場への挑戦。

独自開発した光コネクタを、次の時代の「常識」にする。

独自開発した光コネクタを、

次の時代の「常識」にする。

AI技術の普及やクラウドサービスの拡大が進む中、データセンターにおける光ファイバーの需要増加が進んでいます。
それを受けてセンコーアドバンスでは、従来の光コネクタよりも小型で高密度な接続を実現するVSFF(Very Small Form Factor)コネクタの開発を進めてきました。
日本国内にVSFFコネクタを普及させ、新しい市場を作る。そんな目標に向かって挑んだ、3人の社員の歩みを振り返ります。

OC事業本部 営業部 係長

Ryutaro Takahashi

髙橋 龍太郎

OC事業本部 営業部 主任

Kenta Kozeki

古関 健太

OC事業本部 営業部

Zenjiro Koga

古賀 善二郎

日本市場の保守性が、大きな壁に

VSFFコネクタの営業活動を本格的に始めたのはいつですか?
高橋
VSFFコネクタの開発自体は、2017年頃から進めていました。その後、各担当者が営業活動を進めてきたのですが、本格的に新規開拓を進めたのは、2023年に私がイギリス駐在から帰ってきた頃ですね。営業部の中にBD(ビジネスデベロップメント)という新しい役割ができて、私ともう一人の社員がその役割に就きました。BDというのは、新規顧客や新しいマーケットの開拓を専門に行う役割です。特定のお客様を担当しない分、新しいものを生み出していく責任があるので、その役割をしっかり果たしていこうと考えました。
古関
髙橋さんたちBDが作った人脈や情報を引き継いで営業活動を深めていくのが、私の役割です。実際にお客様を担当して関係構築を進める「コアセールス」という立場で仕事をしています。
VSFFコネクタは、従来のコネクタよりも高密度な接続を実現するコンパクトな光コネクタです。クラウドサービスやAI技術などが浸透する中、北米など海外の国々ではVSFFコネクタの普及が進んでいますが、まだまだ日本国内には浸透していない状況でした。そのため、私たちが直接のお客様である装置メーカーさんやケーブルメーカーさんに提案しても、まったく興味を持っていただけませんでした。
高橋
それには理由があるんです。通信業界はピラミッドになっていて、その一番上には「通信キャリア」と呼ばれる大手の通信事業者さんがいます。その通信事業者さんの需要がなければ、私たちがいくら(通信業者を支える立場の)装置メーカーさんやケーブルメーカーさんにVSFFコネクタを提案しても、「売れないものは必要ない」と言われます。とてもシンプルな話ですよね。だから私たちは、「新しい需要を作ろう」と決めました。
古関
我々にとってのエンドユーザーである通信事業者さんに働きかけて、新しい需要、新しい市場を作る、というチャレンジです。それを実現する上で不可欠だったのが古賀の力でした。
古賀
私の役割はSCM(サプライチェーンマネジメント)と言って、いわゆる調達部隊になります。当社は「ファブレス」と呼ばれる自社工場を持たない企業なので、私たちSCMがサプライヤーさんに依頼して納期通りに製品を作っていただきます。
今回のプロジェクが始まった時に難しかったのが、サプライヤーさんのマネジメントですね。VSFFコネクタが日本の市場に普及していない状況だったので、サプライヤーの方々はまだ製品のことを何も知りません。そんな中、「こういう製品が今後必要になってきます」「ぜひ協力して作ってくれませんか」と伝えて理解を得るところからスタートしました。

新しい市場をつくるために、挑む

エンドユーザーである通信事業者への働きかけは、どんなことから始めたのですか?
古関
エンドユーザーに働きかけると言っても、最初は話すネタもなかったと思うんです。でも、髙橋さんをはじめBDのメンバーが、光コネクタが使われる機器の新しいトレンドなどをすごく勉強されて、それを学ぶことによってエンドユーザーと直接会話ができるようになっていったと思います。
高橋
「海外ではこういう機器が普及していますよ」という啓蒙活動に力を入れていったんです。ウェビナー(インターネット上で行われるセミナー)やイベントで講演活動をしたり、ネットワーキングイベントに参加して人脈を作ったり、さまざまな場で情報発信を行いました。
こういうイベントや業界団体の集まりで出会う方たちは、各企業の上層部の方が多いんです。そういう方たちとのつながりを作っていくことで、トップダウンのような形で採用していただけるよう働きかけました。

そもそも国内市場にVSFFコネクタを普及させられる自信があったのですか?
古関
それはもう、私たちはVSFFにメリットしかないと思っているので。ただ、最初はお客様に提案に行っても「門前払い」のような状況でした。理由は、海外で採用されている事例をそのまま日本のお客様に提案したことです。
海外では、操作性などは関係なくぎっちり高密度にコネクタを収めるやり方をしていたんですね。でも、そうやって高密度にしてしまうと、たとえば4つコネクタが並んでいる時に真ん中のコネクタを抜き差しするのがすごく大変になります。私たちは当初、何も考えずにそのまま提案し続けていたのですが、それでは品質に厳しい日本のマーケットでは受け入れていただけません。そこで、抜き差しのしやすいデザインに変えるなど、日本向けにカスタムすることを始めました。
古賀
開発はすべて、試作レベルからスタートしました。サプライヤーさんに試作品を作ってもらうのですが、うまくいかないことがたくさんあって、何度も何度も試験や改善を繰り返しました。その試行錯誤を、私が中心になって進めていきました。
高橋
スペックイン活動(自社製品の採用を働きかける活動)を進める上で大きなアドバンテージになったのが、当社の情報入手の速さです。一般的に日本企業の方って、日本国内だけに目を向けていることが多いと思います。また、日本語の媒体だけで情報を得る傾向も強く、情報入手が遅い傾向があります。
センコーアドバンスの場合は海外に駐在している社員の数も多く、同僚から直接海外の情報を入手することができます。世界で一番ホットな話題をお客様に提供できる。それは圧倒的な強みだと思います。
古関
「海外ではこういう機器がリリースされていますよ」という情報は、エンドユーザーも必要としていますからね。そこで興味を持っていただいて、ワークショップにつなげるとか。
高橋
ワークショップでは、ただコネクタの説明をするのではなく、「このVSFFコネクタはこういう風に使えますよ」とストーリー仕立てでお客様にプレゼンしていきました。
古関
そこは力を入れましたね。お客様にVSFFコネクタのメリットをイメージしていただけるようなプレゼンを、何度もトライ&エラーを繰り返して作り上げていきました。

「足で稼ぐ」営業が、私たちのやり方

そうした活動を進める中で苦労したことはありましたか?
高橋
私たちが扱っているコネクタはとても小さい製品なので、Web会議などで見せるだけでは良さが伝わらないんです。実物を触ってもらわないと良さが伝わらないので、北海道から九州までいろんなお客様を訪ねて歩きました。オフィスに来るのは週に1日くらいで。
古賀
たまにオフィスで会うと「久しぶりですね」という感じでしたね(笑)。
高橋
いろんな企業の方が集まる立食パーティーなどがある時は、常にポケットにVSFFコネクタを忍ばせておくんです。名刺交換をして「何をされているんですか?」と聞かれた瞬間にサッと取り出して「これを売っています」と見せる。そうすると、「えー!」「すごいですね!」って驚かれますね。そこから会話を広げるということをしていました。とにかく「足で稼ぐ」ということですね。古関の場合もすごくて、猛暑の中、何十分も歩いてお客様のデータセンターに行ったり……。
古関
新しいコネクタなので、納入後にデータセンターの方から「取り扱い方が分かりません」といった連絡をいただくことがあるんです。そういう時は「行かせてください!」と言ってすぐ訪問し、お客様に直接使い方をご説明しました。問題が起きた時にすぐに顔を見せて対応するとお客様は喜んでくださり、それが次の仕事にもつながります。髙橋さんが言った通り、「足で稼ぐ」ことが本当に重要だと感じました。
高橋
とにかくコネクタを背負ってお客様をまわる。富山の薬売りの現代版みたいな感じですね(笑)。最先端のクラウドやAIの進化に対応した製品を扱っているけど、現場の私たちは泥臭い仕事をしています。ただ、だからこそプロジェクトが成功したのだと思っています。
古賀
髙橋さんや古関さんがお客様に対して「今こういう製品を作っています」とプロトタイプを見せて説明している間に、私たちSCMは製品を作り上げなくてはなりません。そこが苦労した点ですね。
高橋
あとは「あの話」も!
古賀
はい。クリーナーの話ですね。コネクタの端面の汚れをふき取るクリーナーを作作りました。このクリーナーはコネクタを使うにあたって不可欠なものです。お二人が「足で稼ぐ」と言っていましたが、私の場合は足を使ってこうした製品を作り上げてきました。
高橋
タイトな納期に対応することも、古賀が苦労した点だと思います。
古賀
そうですね。「1日も製品を早く作り上げないといけない」というのが当社の文化なので。製品を構成する部品が私の手元に届いたら、宅配便などでサプライヤーさんに届けるのではなく、直接持っていく。そうすることによって、こちらの熱意を伝えることができます。「このプロジェクトが成功するためには、御社の力が必要です」と伝えることが私の立場で必要なことだと思っていたので、意識してサプライヤーさんをまわりました。

「プロジェクトを絶対に取る」という熱意

高橋
なぜセンコーアドバンスの納期がタイトなのかと言うと、その先にいるお客様の動きに対応するためなんです。たとえば当社が北米などで相対しているハイパースケールデータセンター(大規模なデータ処理能力を持つデータセンター)は、技術革新のスピードが本当に速いんです。お客様から「こういうコネクタがほしい」と言われたら、1週間後には基本デザインを作って3Dサンプルを持って行かないと、商売を取ることはできません。海外のトップのところはそういう世界なんです。
古賀
そうした背景がある中で私がサプライヤーさんに対してうまく交渉できなかったら、プロジェクトが止まってしまいます。ライバルがいる中でビジネスを勝ち取るために、センコーアドバンスはワンチームとして動いています。「プロジェクトを絶対に取る」という意識を全員が持っているのを実感しますね。

皆さんの努力が実って大規模案件の受注を実現した時は、どんな達成感がありましたか?
古関
国内でまったく普及していなかったところから始まって、最終的にお客様から「このコネクタを使います」と言っていただいた時はすごく達成感がありました。
高橋
私たちBDの仕事は“種まき”だと思うので、その役目をしっかり果たせたと思います。自分の活動の結果が芽吹いたという実感がありました。
古関
髙橋さんが構築した人脈や情報を、営業活動のいろいろな場面で使わせてもらいました。また、古賀が動いてくれなかったら、私たちはモノを売ることはできなかった。本当に「みんなの力で実現した」という感じがしますね。メンバーそれぞれが「日本国内にVSFFコネクタを普及させる」という同じゴールを共有しながら、自分の役割を成し遂げたことが大きかったと思います。
高橋
うちは大企業と違って、「上から与えられた仕事をやる」という文化じゃないんですよ。チームとしての目標がある中で、それを達成するためにどうすればいいかを各自が考えて動く組織になっています。それがうまく機能したということですね。
古賀
社内のコミュニケーションは豊富ですよね。そういう中で自然に同じ方向を向くことができていると思います。

今後についてどんな目標がありますか?
古関
私は来月からアメリカに駐在することが決まっています。日本で取り組んできたようなエンドユーザーへのスペックイン活動を、アメリカでも引き続き進めていきます。VSFFコネクタの販売数がアメリカで増えれば、日本にも波及すると思うので、海外から日本のマーケットに影響を与えられるような仕事をしたいと思っています。
古賀
古関さんは今まで国内のエンドユーザーと密に関わってこられたので、そこで得た知識はアメリカに行っても絶対に役立つと思います。
私もSCMとしての経験が増えるにつれ、いろいろと改善できることが見えてきました。サプライヤーさんとの協力を深めてお客様に求められていることを実現し、新しい案件を取る。そんな貢献を続けていきたいと思います。
高橋
私の個人的な野望は、国内の情報通信インフラに革命を起こすこと! しかも、VSFFで革命を起こすことです。そのためには泥臭く、ポケットにコネクタを突っ込みながらお客様を訪問するようなことを、引き続きやっていきたいと思います。
古関
これからも頑張っていきましょう!

※当社が独開発した次世代標準小型光通信コネクタが、株式会社サイバーエージェントの機械学習基盤に採用されました。詳細はこちら
※コメントの内容は取材時(2025年8月)のものです。

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